ヘルパーT細胞(Helper T Cell, Th細胞)とは?
- Tetsu Shiratori
- 2月17日
- 読了時間: 3分
ヘルパーT細胞ってなに?まずは小学生でもわかる説明!
ヘルパーT細胞(Tエルパーさいぼう)は、体を守る司令塔みたいな細胞です。
体の中にばい菌やウイルスが入ってきたときに、「みんな!戦う準備をして!」と
ほかの細胞に教えてくれます。
ヘルパーT細胞のしごと
ばい菌を見つける
ばい菌が体に入ると、「見張り役」の細胞(マクロファージや樹状細胞)が
それを見つける。
仲間におしらせする
ヘルパーT細胞がその情報をもらって、「大変だ!ばい菌がきた!」と
みんなにおしらせします。
みんなを応援する
B細胞:「よし!ばい菌をやっつけるための"お薬(抗体)"を作るぞ!」
キラーT細胞:「ウイルスにやられた細胞を倒そう!」
マクロファージ:「ばい菌を食べてきれいにするぞ!」
と役割分担しながら、一緒に体を守っています。
ヘルパーT細胞のなかま
ヘルパーT細胞には、いくつかのなかまがいます。
なかまの名前 | しごと |
Th1 | ウイルスやばい菌をやっつける手助けをする |
Th2 | アレルギーに関係した細胞を助ける |
Th17 | 炎症(えんしょう)を起こして体を守る |
Treg | 「戦いすぎちゃダメ!」とブレーキをかける |
ヘルパーT細胞がこわれると?
ヘルパーT細胞がうまく働かないと、いろんな病気になっちゃうことがあります。
HIV(エイズ):ヘルパーT細胞が少なくなって、ばい菌と戦えなくなる。
アレルギー:反応しなくていいものに反応して、鼻水が出たり、かゆくなったりする。
自己免疫(じこめんえき):自分の体をまちがえて攻撃しちゃうこともある。
ヘルパーT細胞(Th細胞)は、免疫系の司令塔として働く白血球の一種で、
Tリンパ球(T細胞)のサブタイプです。
体内に侵入した病原体(細菌やウイルス)を直接攻撃するのではなく、
他の免疫細胞を活性化し、免疫応答を調整する役割を持っています。
ヘルパーT細胞の機能
抗原提示細胞(APC)からの情報受け取り
マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)が病原体を捕食し、
その一部(抗原)を提示します。
ヘルパーT細胞は、この情報を認識し、適切な免疫応答を開始します。
他の免疫細胞を活性化
B細胞の活性化 → 抗体(免疫グロブリン)の産生を促進。
マクロファージの活性化 → 貪食作用を強化し、病原体の排除を助ける。
キラーT細胞(細胞傷害性T細胞, CTL)の活性化 → ウイルス感染細胞や
がん細胞を攻撃。
ヘルパーT細胞の種類
ヘルパーT細胞には幾つかのサブタイプがあり、それぞれ異なる免疫応答をしています。
サブタイプ | 主な役割 |
Th1細胞 | 細胞性免疫を促進(ウイルスや細胞内細菌の排除)。マクロファージやキラーT細胞を活性化。 |
Th2細胞 | 液性免疫を促進(寄生虫感染やアレルギーに関与)。B細胞を活性化し、抗体の産生を助ける。 |
Th17細胞 | 炎症反応を促進(自己免疫疾患や細菌・真菌感染に関与)。 |
Tfh細胞(濾胞性ヘルパーT細胞) | B細胞の成熟と抗体産生を強化。 |
Treg細胞(制御性T細胞) | 免疫応答を抑制し、自己免疫疾患を防ぐ。 |
ヘルパーT細胞の異常と疾患
ヘルパーT細胞の機能異常は、さまざまな疾患に関係しています。
HIV/AIDS(後天性免疫不全症候群)
HIVウイルスはヘルパーT細胞(特にCD4陽性T細胞)を攻撃し、
免疫機能を低下させる。
自己免疫疾患
関節リウマチ(RA):Th1やTh17の過剰活性化により炎症が持続。
多発性硬化症(MS):自己免疫によって神経が攻撃される。
アレルギー
気管支喘息やアトピー性皮膚炎は、Th2細胞の過剰な反応が原因となることが多い。
まとめ
ヘルパーT細胞は、免疫システムをコントロールする重要な細胞で、
感染防御・炎症・免疫制御などの役割を担っています。
その異常は、免疫不全や自己免疫疾患、アレルギー疾患につながることがあります。
コメント